着床前遺伝子診断(Preimplantation
Genetic Diagnosis:PGD)とは、
主に血縁に遺伝性疾患のある方において、受精卵にその影響が及んでいないかどうかを調べるために行われる検査です。
両親に遺伝病がある場合、常染色体に問題がない場合(隠れ染色体異常)、顕性遺伝(両親の形質の一方が子にあらわれること)や性遺伝病、染色体転座やロバートソン転座などを含む単一遺伝子異常が子どもに受け継がれる確率は、50~75%とされています。
これまでは、妊娠4ヶ月以降に行える絨毛穿刺や羊膜穿刺が、遺伝子の異常を調べるメジャーな方法でした。しかし、妊娠後の検査で異常が見つかった場合の心身的ダメージは計り知れません。
着床前遺伝子診断では、顕微受精の着床前に検査を行います。
遺伝子疾患のある遺伝子や染色体異常の胚を除外し、問題のない胚を母体に移植します。妊娠期間の不安が大幅に解消される点に加え、異常のたびに中絶手術を強いられる必要がなくなるというメリットもあり、心身両面における母体の負担軽減につながります。
PGDは家族性遺伝性疾患のあるご夫婦に対して行われています。
顕微受精の過程において検査を行います。子宮に受精卵を移植する前に、専用の器具を用いて遺伝性疾患の有無を調べます。現在PGDでは、400種類以上の遺伝性疾患の遺伝子を調べることが可能です。一度に診断を行えるのは、一つの遺伝子のみとなります。
台湾ですでに実施されている、PGDで発見可能な遺伝性疾患
・ 海洋性貧血
・ 脊髄性筋萎縮症
・ 血友病
・ 小脳萎縮症
・ 強直性脊椎炎
・ ファブリー病
・ 神経繊維腫症Ⅰ型(レックリングハウゼン氏病)
・ 軟骨無(低)形成症
・ 2型ムコ多糖症
・ ハンチントン舞踏病
・ 多発性腎嚢胞(ADPKD)
・ 非ケトン性高血糖症
・ 無汗性外胚葉形成異常症(XLHED)
・ 家族性アミロイドポリニューロパチー
・ 先天性色盲
・ 無虹彩
・ 先天性副腎皮質酵素欠損症(CAH) など。